対策&快復レポート
ロハスな家づくりプラン
6.最大の課題はトイレ!?〜肥だめのメリット・デメリット
口に入れるものすら、あまり意識を向けなくなった時代です。出るもののことは、全く考えず、できれば目に触れることなく、水に流してしまいたい、という無責任な時代は、終わりを告げようとしています。
排水内の廃プラが話題になっています。高度成長期は、合成洗剤が出始め、界面活性剤含有廃水の悪臭や消泡が社会問題になりました。今も未解決のまま、合成洗剤が主流ですが、それ以上に、浄水処理しきれない成分、向精神薬など薬品類や香料、添加物が、河川排水から海に流れ、生態系に影響するほど汚染が広がっています。
かつては、生活排水と糞尿処理は別でしたが、下水道が整備されていない地域では、近年、合併浄化槽が主流となり、糞尿も各家庭で浄化処理して、排水に混ぜられて流されています。
私も含めて、肥だめの時代まで戻るのは不可能、無理!と思う方が大多数かと思います。
ただ、ここで伝えたいのは、肥だめの時代の、庶民の食べ物には、ほとんど、浄水処理できないようなケミカル成分が含まれておらず、腸内で腐敗するような動物性食品も常食せずに、穀物や野菜、木の実、味噌や醤油、漬物などの発酵食品を質素に食べていたため、優秀な腸内細菌がしっかりと解毒分解して、悪臭を放つことなく、短時間で発酵して、摂取した穀物や野菜などの栄養残渣や枯草菌など有用微生物と共に土に還っていたということです。
今とは、全く異なる糞尿成分だったのです。
石油化学製品由来の食品は存在せず、自然環境を汚染するものを、食べたり、飲んだり、出したりするような生物は、この世にいなかったから、肥だめは成立したのでしょう。
このことから、トイレの問題は、私たち人間が口に入れるものの問題であり、何を食べるか、何をつくるか否かという意識の問題であります。
登山やキャンプを趣味にされている方は、経験があるでしょうが、山頂や山小屋、野営時のトイレ処理は、高度成長期以降、日々、戦いのような状態で、本にもなっているほど、悩ましい解決できない問題です。
動物とは違い、人間が自然の中で循環する生態系と共生するために、最大の課題がトイレだ、というテーマは、決して大げさではありません。
トイレにはじまり、トイレに終わるほど、いかに、地球環境に負荷をかけない糞尿のために、何を口にするべきか?を、真剣に議論し、試行錯誤しなければならない大切な共有情報と、私は考えています。