対策&快復レポート
ロハスな家づくりプラン
11.温故知新〜みんなでつくるイエとムラが長持ちする理由
建築畑の家に生まれ育ち、音楽畑で青春時代に調和を覚え、企画畑でこの世での役割、使命に気づいたところで、病に倒れ、山間地へ移住、ロハス修行を積み重ねて、マトリックス離脱という経験をしてきました。
ロハスキーワードで家づくりを考えた時、環境共生住宅や天然住宅、和の家、伝統工法など戸建てデザインからはじまって、コーポラティブハウス、コレクティブハウス、さらに、エコヴィレッジと、個から公共へと広がっていきます。
コーポラティブハウスとは・・・
主旨に賛同した入居希望者が集まって、企画・設計段階から参加し、意見や希望を協議、採決しながら協同組合として建設・運営する集合住宅。
友人が暮らす「エコヴィレッジ鶴川ーきのかの家」がこれですね。エゴヴィレッジよ、なんて笑っていましたが。
コレクティブハウスとは・・・
各住戸のプライバシーを尊重する個室と、キッチン、リビング、ダイニング等を共用し、子育てや家事等の作業を共同で担い合う相互扶助的な住宅。
映画「TOMORROWーパーマネントライフを探してー」に出てきますね。
エコヴィレッジとは・・・
持続可能性を目標としたまちづくりや社会づくりのコンセプト、またそのコミュニティ。人間が自然界に害を与えず、調和した生活を行っている。人間の健全な発達を促進する。未来に向けて持続的である。また、有機農法やパーマカルチャーの実践、スモールコミュニティ、持続可能性の追求など。 持続可能な建築、水の循環利用、糞尿分離トイレなどの取り組みなどを特徴とする。
空気も水も大地もすべてつながっていますから、自分の家だけがロハスでも、まわりがアンロハスであれば、窓も開けられず窒息、断食の小屋でしかありません。
当然の成り行きですが、狭い、小さいと言われる日本であっても、広大な候補地や共生できそうなコミュニティを探すには、それは広く、深く、険しい現実の壁に阻まれました。
土地のみならず、そこに暮らす人々の意識の中に、戦後の高度成長時代の大量生産・大量消費・大量廃棄が経済を牽引し、所得を引き上げ、豊か(と錯覚する麻薬依存的)な幸福家庭像を、ノスタルジックに求め続けているように感じます。
しかし、そのノスタルジックに浸っている時も、残り僅かになってきました。
とてつもないインパクトでベールが降りて、今、人類が置かれている立場がはっきりと認識できる時が近づいているからです。
その時、どうやって目の前の真実を受け入れ、思考処理して、冷静に次なるアクションを選択するか、意識変革できるかが、大切になってきます。
みんなでつくるイエとムラが長持ちする理由のヒントは、「結い」にあると思います。
結(ゆい)とは、主に小さな集落や自治単位における共同作業の制度である。
一人で行うには多大な費用と期間、そして労力が必要な作業を、集落の住民総出で助け合い、協力し合う相互扶助の精神で成り立っている。
共同作業は、田植え、稲刈りなど農の営みや住居など生活の営みを維持していくため、また、社会基盤の維持にかかわるものは特に自普請ともよび、労力、資材、資金を提供しあう互助活動全体を指す。
無尽や消防団などは資金や災害対策の労役に限った結であるといえる。(Wikipediaより)
この制度は、今もなお日本には残っていますが、すべての住民が自給自足を前提とした農民であり、里山があり、山の神や水の神、歳の神など、自然に畏敬の念を抱いて、決して汚さず、無駄に生命を奪わず、共生してきた時代のそれとは状況や意識が異なっています。
100年かけてみんなで育ててきた木を、大切にしない人はいないでしょう。家を支える大黒柱として、できるだけ長持ちするよう、代々、維持管理していくのが人としての生き方です。
1000年かけてみんなで守ってきた森や山に、ゴミを捨てる人はいないでしょう。命をつなぐ水をつくり、酸素をつくり、無数の生命が共生して暮らし、様々な恵みを生み出してくれる大切な財産を、代々、維持管理していくのが人としての使命だと、私は思います。
(続きます)