対策&快復レポート
ロハスなまちづくりプラン
8.アナログでオーガニックなつながりへ回帰する時(EMPに備えて)
インターネット無しでは、スマホ無しでは、生活が成り立たない時代になりました。その脆弱性に警鐘を鳴らしても、誰も振り向いてくれませんが、あえて、アナログへの回帰についてふれたいと思います。
EMPというのは、電磁パルスのことで、太陽嵐やフレア、落雷、核爆発などによって、強烈な電磁波が発生した場合、送電設備をはじめ、電線やアース線、アンテナを通じて流れた強電流によって、電化製品や電子機器などが破壊され、復旧が困難になる、という厄介な現象を想定しての警告です。
太陽活動周期は、極小期(黒点がほとんど出ず、太陽フレアもほとんどない数年間におよぶ時期)ですが、2017年9月に大規模な太陽フレアが2度(X2.2・X9.3)にわたり発生しました。
「コロナ質量放出(CME)」と呼ばれる太陽磁場のエネルギーが突然解放され大量のプラズマ塊が放出される爆発的な現象もみられ、莫大な量の荷電粒子やエネルギーが地球へ到達すると磁気嵐が起こり、人工衛星やその観測機器が影響を受けたり、地球上でも通信障害が発生したりしますが、この時は直撃せず、大事故にはなりませんでした。
その重大な危険性を警告する記事を転載します。
「送電網や通信施設に影響が出る規模の太陽嵐では、通信と電力が完全に麻痺するので、地震や津波だけでなく普段から全国規模の「全電源喪失」が起きる。
過去の太陽フレア事象として1859年の太陽フレアによる磁気嵐がキャリントン事象として知られている。
このときには全欧州と北米でオーロラが出現し、当時唯一の電子機器であった電報システムが停止し、混乱に陥った。
しかし現代社会は当時とは比較にならないほど電子機器に依存している。同じクラスの太陽フレアが出現すれば築き上げた文明は一瞬で消えさり、社会混乱の規模は想像できない規模になる。
送電網、車のECUとエンジン、航空機の電源、操縦システムとエンジン、携帯端末、電話・ファックス、インターネット、WiFi、公共交通機関、ATM、エレベーターなどすべての電子機器の導体に誘導起電力が生じ回路が破損して使えなくなる。
金庫など金属容器の中に保管しておいた電子機器だけが生き残るが、それでも基地局や送信局が機能停止するので使えないことに変わりはない。(アマチュア無線機を金庫に保管している人を除いて)、情報通信も移動手段もそしてライフラインも喪失する。
キャリントン事象クラスの太陽フレアが起きれば世界中が災害地域となる。」(グローバルリスクコミュニケーションより)
脅かす訳でも、不安にさせたい訳でもなく、地震や噴火、台風、豪雨、落雷と同じ自然現象として、いつ発生してもおかしくない、一瞬の出来事によって、ほとんどすべての電気製品が使用できなるだけでなく、長期にわたって送電することができなくなるため、電気が無くても、電波を使わなくとも、生活して、コミュニケーションが可能な、人と人、顔と顔でオーガニックにつながったアナログ・コミュニティの対応力も欠かせないと考える次第です。
せめてシミュレーションだけでも、設備の無い場所での脱電気キャンプや、ブレーカーオフ生活を経験されることをオススメします。